ベトナム企業は知的財産(IP)登録に十分な注意を払っていないため、意匠や商標が海外で侵害されていると関係者は述べている。この問題解決のため、ベトナム商工会議所(VCCI)はベトナム知的財産局、ベトナム知的財産協会(VIPA)、国際商標協会(INTA)と共に「ベトナム企業のための意匠と商標の保護」会議を共催した。
2019年7月5日、VCCI会長であるV]TiếnLộc氏は会議の席上において「ベトナム企業は世界的な市場で多くの課題と困難に直面している。Bến Treのココナッツ、Phú Quốcのナンプラー、BuônMêThuộtのコーヒーなどのベトナムの意匠や商標が外国企業によって盗用されているからである。これらを取り戻すには多くの時間と費用がかかる」との意見を述べた。
「ベトナム企業が世界の知的財産法を尊重し、世界市場におけるベトナム製品の競争力向上を目指し、自らの知的財産を保護するべきと認識している。本会議を通じて、我々は外国企業に学び、商標登録のための信頼できるプラットフォームを見出し、商標保護の分野でベトナム企業を支援する外国の専門家と協力する機会を模索する」とLộc氏は述べた。
また、世界知的財産権機関(WIPO)のASEAN地域事務所ディレクターであるDenis Croze氏は、以下のように述べた。
「市場のグローバル化とインターネットにより可能になった、国境を越えたデータフローは、企業と消費者に新たな機会を提供している。だからこそ、特許、商標、意匠などの知的財産権を保護することが重要である。知的財産資産の開発、保護及び管理において企業が実装しているスキルは将来的にどれだけ成功するかを示す良い指標である。今後、無形資産が重要なビジネス価値を表すようになっていく経済環境において、知的財産は極めて重要だ。また、国際知的財産制度が全ての人にとって革新と創造性を可能にすることも非常に重要である」。
会議中、海外からの専門家は、意匠の国際登録に関するハーグ制度及び商標の国際登録に関するマドリッド制度を紹介した。
「WIPOとベトナム知的財産権局間の電子通信、法律及び手続の改正など、いくつかの法的かつ実用的な問題に関して、やるべきことは残されているが概ね完了しており、ベトナムがこれらの登録システムに加わる日も近いだろう」と、Croze氏は意欲的な姿勢を見せた。
アジア太平洋国際商標協会事務局のSeth Hays氏は今回の会議の重要性を高く評価し以下のように称賛した。
「本会議は国境を越えた知的財産機関間の橋渡しとなり、海外において知的財産権を保護するための最も効率的なツールをベトナム企業に提供するだろう。商標により、迅速で安全な購買決定が可能になり、競争と革新が促進されるに違いない。情報を共有することで、ブランドやデザインなど最も価値のある無形資産が海外において保護されることを保証できるようにもなる」。
(Viet Nam News 2019年7月6日付記事参照)