フィリピンは1994年の著作権法改正において米国型のフェアユース規定が導入されており、以下の4つの視点から判断がなされている。
・利用目的及び性質(利用が商業性を有するか又は非営利的教育目的かという点も含む)
・著作権のある著作物の性質
・著作権のある著作物全体との関連における利用された部分の量及び実質性
・著作権のある著作物の潜在的市場又は価値に対する利用の影響
著作権は、文学的、芸術的又は科学的な分野で生み出された全ての作品の権利所有者を法律で保護することを意味する。具体的には書籍及びその他の著作物、音楽作品、映画、絵画、その他のビジュアルアート、建築デザイン、コンピュータープログラム、その他の文学的および芸術的作品が含まれる。
フィリピンでは著作物に対する法的保護は作品が生まれた瞬間に与えられ、著作権を保護するための登録は必要ない。しかし、これは著作権の利用がどれだけ公正に行われるかという問題をもたらす。なぜなら現代においてはデジタル化により、他人の著作物を容易に利用できるからだ。
フェアユースの概念は法律専門家の間では常識だが、多くの一般的なフィリピン人にはあまり理解されていないのが現状だ。そこでフィリピン知的財産権局はウェブサイト上で広く一般の理解を求めている。
(IPOPHL Webサイト 7月2日付記事参照)