【ミャンマー】証書登記法に基づく商標登記の受付期間

商標法に基づくソフトオープニング期間に出願可能な商標は①証書登記法に基づき登記済みの商標、または、②既にミャンマー市場で使用されている商標のいずれかです。②の証明がどの程度高いものを求められるか不明確であり、確実な申請のためには①のカテゴリーでの出願をお勧めしております。

①のカテゴリーでの出願に関連して、証書登記法に基づく商標登記は少なくとも2021年3月末日までは受け付けられており、かつ、商標法のソフトオープニング期間中に証書登記法に基づき登記された商標も上記①のカテゴリーで出願可能です。

そのため、ソフトオープニング期間中に出願を希望され、かつ、証書登記法で未登記の商標について、証書登記法での登記対応について是非ご連絡下さい。

【ミャンマー】商標出願に関連する不確定事項

10月1日よりソフトオープニングが開始されましたが、未だ多くの不確定事項があり、主に以下があげられます。

・商標法施行細則(商標法は施行されていますが、未だ施行細則は草案の段階です。施行細則により、今まで不明確であった点がクリアになると考えられます)

・出願料(他のAESAN諸国と同レベルの費用が予定されています)

・出願後の審査期間、及び登録完了までの期間(他のAESAN諸国と同程度の期間となるよう調整中とのことです)

・法律事務所に出願を依頼する場合の、委任状の要否及び公証の要否(公証が必要な方向で動いていているとのことです)

・出願商標が確認、検索できるウェブサイト(出願公開できるHPの完成時期として2021年3月31日を目指しているとのことです)

情報のアップデートがありましたら、随時掲載させていただきます。

【ミャンマー】商標出願に必要なID及びパスワードを受領いたしました

商標法に基づく商標出願請は全てオンラインで行われます。最初の段階ではシステムの性能上、出願に必要なID及びパスワードの発行を、ミャンマーの現地法律事務所のみに制限されています。

ASEAN国際商標事務所の提携事務所であるTNY Legal (Myanmar) Co.,Ltd.もID及びパスワードを取得しましたため、ご依頼いただければ現地代理人として出願対応をさせていただきます。

【ミャンマー】ソフトオープニング期間が決定しました

商標法に基づくソフトオープニング期間が 10 月 1 日より開始されました。ソフトオープニング期間は 2021 年 3 月 31 日までの予定であり、それまでに申請書を提出し、出願料を支払えば、いずれの出願も一律出願日は商標法の施行日(2021 年3 月31 日予定)として取り扱われる予定です。

なお、現状では未だに出願料も公開されておらず、かつ、申請書の書き方の詳細なガイドラインなども公表されておりません。

【商標登録Q&A:ミャンマー】Q9. 商標権者には、どのような権利が与えられますか?

Q9. 商標権者には、どのような権利が与えられますか?

A: 以下の権利が与えられてます。

  1. 他者の商標の利用を禁止する権利
  2. 商標権利侵害者に対して民事訴訟若しくは刑事訴訟、又はその両方を提起する権利
  3. 譲渡又は使用を許可する権利

【商標Q&A:ミャンマー】Q8. 商標登録できないものにはどのようなものがありますか?

A. 以下に該当するものは原則登録することができません。

  1. 識別性を有さない標章
  2. 単に商品の質や産地等を表示する標章 (シャツに使用する商標として「白いシャツ」など)
  3. 公序良俗、倫理、宗教及び信条、連邦の評判、文化、又は民族社会の慣習に反する標章
  4. 現代の表現で一般的に使用されるようになったもの又は伝統の一部になったもの若しくは取引の過程で実際に使用されるもの
  5. (2)の観点から、取引の過程において、又は公衆に対して欺罔的である標章
  6. その全部又は一部が、国旗、紋章、その他紋章、国家により管理されていると認識されている法的記号、品質保証の記号、又は国際機関の紋章、旗、その他紋章、名称、若しくはイニシャルと同一であるか又はそれらの模倣から成り、該当する当局から許可を得ていない、若しくは、その使用が公衆に誤解を与える標章
  7. 連邦が批准している国際条約に従って特に保護されている記号を含む標章

【ミャンマー】既存商標の優先登録手続きに必要なものは?

【ミャンマー】既存商標の優先登録手続きに必要なものは?

ミャンマーでのビジネス展開を考えるなら、優先登録期間の開始と同時に出願できるよう今のうちに準備しておくのが得策です。

というのも、先にその商標を使っていた者に権利を認めるという「先使用主義」に立脚する登録法下の商標登録を長らく行ってきたミャンマーですが、商標法施行後は先に出願した者に権利を認めるという「先願主義」へ移行することになるからです。

これは制度上の大きな変更なのでしばらく混乱が生じるかもしれません。例えばどさくさに紛れて、本来権利を認められない者が棚ぼた的な権利を得たり、本来権利を得るべきであった者が損害を被ったりというようなことです。このような事態を避けるため、移行前後の橋渡し的制度として「既存商標の優先登録」制度が設けられます。

既存商標は知的財産庁設立に先立って登録でき、その登録を済ませておけば他の誰かと争いが起きたときにより早い日付の登録日を示すことができるようになります。また、先使用主義に基づく主張も数年間はできるようにするということも検討されています。

現在使用している商標を既存商標としてなるべく早く登録すると以上のようなメリットが得られます。では、既存商標として保護されるために必要なことはなんでしょうか。以下の項目をチェックしてみてください。

①登録事務所における自社の社名やロゴの登録法下の登録は済んでいますか?

この登録がなければ既存商標としての優遇措置を受けることが非常に難しくなります。Office of Registration of Deeds(ORD)での登録がまだの場合は一刻も早く登録手続きを済ませましょう。

②商標公告(Trademark Caution)を新聞に掲載しましたか?

ミャンマーでは新聞への※商標公告の掲載が慣習的に長年行われてきました。この慣習に則り自社の商標公告を全国紙に掲載しましょう。また、その紙面を日付が分かるようにしてとっておきましょう。

※商標公告とは登録した商標について、使用する分類などと共に全国紙に掲載することで、自らの使用の意思を世間に広く知らせることです。

③当該商標の使用を示す日付入りの文書はありますか?

遅くとも優先登録開始前(知的財産庁オープンの6ヶ月前)までに商標を実際に使用していたことを証明しなければなりません。

証拠文書の例 ( 以下のような文書をなるべくたくさん用意するのがより安心です)
  • 消費者へのアピールとして新聞等に掲載された広告
  • 請求書、レシート(登録している社名やロゴが入っている)
  • カタログ(社名やロゴ以外にも日付等のクレジットが入っており、そのカタログの製作日(=その商標を使用した具体的な日付)が分かる)

【ミャンマー】大きく様変わりする商標登録5つのポイント

【ミャンマー】大きく様変わりする商標登録5つのポイント

2019年前半、ミャンマーで相次いで知的財産関連法が成立しました。それに伴って、ミャンマー政府は遅くとも2020年11月までに知的財産庁を設立し、各法律を段階的に施行することを目指しています。2019年1月に成立した商標法は知的財産庁の設立と同時に施行される予定です。

ミャンマーにはこれまで商標法がなく、保護したい標章等については登録法( Registration of Deeds Law)に基づきOffice of Registration of Deeds(ORD)での登録が行われており、登録法から商標法への移行の際にどのような変化があるのかが大変注目されています。これまで登録法下で登録していた「既存商標」について今後どのような取り扱いがなされるのでしょうか。まだ検討段階のものもありますが、主なポイントについてみてみましょう。

①知的財産庁が設立される!

商標登録について審査及び管理する機関である知的財産庁が商業省の下に新たに設立され、、出願手続きが確立されます。

②新たな法律が施行される!

これまでは「登録法」に基づき商標を登録していましたが、知的財産庁設立と同時に「商標法」が施行され、商標法に基づき所定の手続きに従い出願することになります。

③登録法下で登録済の商標も新たな出願が必要!

登録法に基づく登録をしていても、商標法に基づく登録とは認められません。商標法に則った新たな出願をする必要があります。

④既存商標の優先登録期間が設けられる!

既に商標を使用している者の権利を守るため、商標法施行の半年ほど前から登録法に基づき登録されている商標又は既にミャンマーの市場で使用されている商標の出願のみを受け付ける優先期間が設けられる見込みです。

⑤オンライン出願ができるようになる!

これまでは登記事務所に直接出向いて申請していましたが、商標法に基づく出願ではオンライン出願のみが認められるようになります。具体的には、知的財産庁オフィスに出向きオンライン出願アカウントが付与されたPCから又はオンライン出願アカウントのログインIDを保有するミャンマーで業務を行っている法律事務所(最初の段階ではミャンマーに所在する法律事務所(弊事務所を含む)のみにログインIDが付与され、ミャンマーに事務所がない法律事務所には付与されません)を通じて申請することが可能となります。

ミャンマー商務省主催の「WIPOファイルソフトウェアシステムセミナー」が開催されました(2019年12月17日)

2019年1月30日に商標法が成立しました。ミャンマー政府は商標の登録について電子登録システムの限定運用を2020年に開始し、その6ヶ月後に本格的な運用を開始する見込みです。以下は2019年12月17日に開催されたセミナーにおいて明らかにされた内容です。

  1. 限定運用
    WIPOファイルソフトウェアシステムは、オンラインファイリングシステムの限定運用を目的としており、省からの通知により限定運用期間開始日が発表される。限定運用期間は6か月で、既存の商標はその期間内に提出するものとする。
  2. 試験運用中に登録できる商標
    (1)1908年又は2018年登録法に基づき、登記事務所で登記された商標市(2)場で使用されているが登記事務所に登録されていない商標
  3. 商標を申請できる者
    (1) 申請者(所有者)によって任命されたミャンマー市民
    (2)ミャンマー人弁護士
  4. 商標登録に必要な書類
    (1)申請書(TM1フォーム)
    (2)TM2フォーム又はPOA(TM2フォームの使用が推奨される)
    (3)既に登録された商標であればその登録の証拠となる文書(新聞広告、請求書、または証明書)
  5. 料金
    商標登録料は区分ごとに徴収され、支払いはシンガポールの商標登録料を超えないものとする